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掲載日:2018年1月15日

川の水や大気中に含まれる微量な化学物質はどのようにして測るのですか?

*この記事はニュースレター第30号(平成28年1月発行)に掲載したものです。

Question - 質問します

川の水や大気中に含まれる微量な化学物質はどのようにして測るのですか?

Answer - お答えします

化学物質担当 野尻 喜好

川の水や大気中にはいろいろな種類の化学物質が含まれています。これらの中には、ごく微量でも人間や生き物の体内に取り込まれると、悪影響が心配されるものがあります。このような化学物質を対象とした環境中の存在状況などに関する調査・研究は、環境科学国際センターを含め多くの環境関連の研究機関などで行われています。このような調査・研究を行うためには、微量の化学物質を検出し、正確に濃度を測定することが必要です。

どのように検出するのですか?

まず、目的の化学物質について分析機器で検出できるまでの量を、水中や大気中から捕集する必要があります(図)。川の水や大気中の浮遊物に含まれて存在しているものは、石英繊維などで作られたろ紙を通すことでろ紙上に集めます。水中に溶けていたり、大気中でガスになっているものは、活性炭のような吸着材に吸着させて集めます。試料を捕集した後、ろ紙や吸着材から有機溶剤や酸などを使用し、検出したい化学物質を溶かし出して抽出液を得ます。この抽出液には検出したい化学物質以外にも検出を妨害したりする物質がいろいろ混在しています。そこで、検出したい化学物質の化学的、物理的な特徴を利用して、妨害する物質を除いていきます。このような操作は、精製、クリーンアップ、分離などと呼ばれています。この精製操作を適切に行うことで、目的とする微量な化学物質を正確に検出することができるようになります。

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図 環境中の化学物質を検出する手順(目的の化学物質を捕集、精製し、千倍から百万倍程度濃縮することで正確に検出することができる)

濃度を知るにはどのようにするのですか?

濃度を知りたい化学物質と同じ試薬を購入し利用します。この試薬は標準物質と呼ばれています。使用する分析機器で測定したときに、適切な応答信号が得られる濃度になるように、正確に測り取った標準物質を有機溶剤や酸などに溶かして標準溶液と呼ばれるものを作成します。この標準溶液を分析機器にかけ、標準物質に由来する応答信号を得ます。この測定結果に基づき、目的の化学物質濃度と信号強度との関係式が得られます。妨害物質を取り除いた抽出液の信号強度を測定し、検量線と呼ばれるこの関係式を用いて、目的の化学物質の濃度を算出します。

結果の信頼性は?

測定結果の信頼性は、使用した分析方法、分析機器、測定者の技能などに依存します。環境の常時監視などの法律に示された化学物質は、一般に公定法と呼ばれる分析方法が示されており、これに従い分析することで信頼性の高い結果が得られます。分析機器の信頼性は、分析機器の使用の際に、信号強度の大きさや再現性などを正常時と比較して確認します。測定者の技能とは、分析方法に記載されている内容を理解し、実施できるということに依ります。これに関して、環境計量士という認定制度や自治体環境研究機関の職員などを対象とした環境省環境調査研修所における研修、さらに、全国の民間・自治体環境研究機関を対象として、環境測定における総合的な信頼性の向上などを目的とする全国環境測定分析統一精度管理調査も行われています。 

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究推進室 化学物質・環境放射能担当

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

電話:0480-73-8372

ファックス:0480-70-2031

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